アーユーボワン!
スゴいですねぇ。エグいですねぇ。
スリランカ経済危機と混乱
国内各地でデモが続く
*SNS上の情報もあり、真偽や詳細が不明のものもあります。
昨日のコロンボは大雨。
大統領府前、ゴールフェイス・グリーンでの大規模デモは続いた。
夜中でもデモ。
アメリカはアトランタ、CNN本社前。
一方、中部キャンディでは大統領支持派もデモ。
政治の動き
4月10日(日)夜、大統領は連立政権から離脱した
11の政党の国会議員41人と協議するも、結論に達しなかった。
離脱グループは新首相下での暫定政権を提案していた。
離脱グループと野党 SJB が協議、
今後の選択肢について話し合いを続けると発表。
この協議はシリセーナ前大統領の自宅で行われた。
スリランカのコロナ関連ニュース
今朝時点、スリランカ国内の
感染者:662,592人(前々日比 87人増)
死者:16,489人(前々日比 増加なし)
スリランカのビジネスニュース
今週の計画停電予定。
11日(月)〜12日(火):日中夜間合わせて最大4時間
13日(水)〜15日(金):停電なし
16日(土)〜17日(日):日中に最大2時間15分
電力規制当局 The Public Utilities Commission of Sri Lanka (PUCSL) によると、
ここ数日の全国での大雨で水力による発電量が増える見込み。
ここ数か月の雨不足で貯水池の水位が下がり水力発電能力が半減していたが、
8日(金)午後から全国で大雨が降っている。
まとまった雨が降ってきて、
「恵みの雨」になると良いですねぇ!
スリランカ中央銀行の通貨理事会の委員のうち、
大統領顧問の サンジーヴァ・ジャヤワルダナ氏と
元中央銀行副総裁のラニー・ジャヤマハ氏が続投を受入れ。
中央銀行ウィーラシンハ総裁はこれを歓迎。
【参考】2020年7月16日のニュース
【通貨理事会委員】
・中央銀行総裁
・財務長官
・外部委員 3名
【参考】中央銀行ウェブサイト:Monetary Board
そのジャヤマハ元中央銀行副総裁が今日の新聞に寄稿。
「ナンダラール」の愛称で親しまれている
ウィーラシンハ博士が中央銀行の新総裁となり、
かつてない困難に名乗り出たことを称賛するとともに、
前と前々の総裁を厳しく批判。
・真の総裁が誕生し、即座に政策金利の発表を引き上げたことは救いがある展開である。
しかし問題の深刻さを考えると、ナンダラールが奇跡を起こして一夜にして問題を解決することは期待できない。彼に時間を与え、国民は恐れや好意を彼に向けることなく仕事を続けられるよう支援する必要がある。
・国民は経済の大混乱しか知らないが、状況はもっと深刻。
中央銀行内の機関紙では、多くのフォーラムや書面で出された賢明な助言に通貨理事会が耳を傾けなかったと非難している。つまり、中央銀行のプロフェッショナルなエコノミストや官僚が状況悪化を察知して軌道修正するよう適切なタイミングで通貨理事会に警告を発していた。
従って、現在中央銀行幹部にある私のかつての同僚は、現在の問題の原因ではなく、ラクシュマンとカブラールという2人の総裁が率いた通貨理事会が責任を負うべき。
・中央銀行内部で起きたこの状況は、通貨の保護者たる通貨理事会が政治家に説明する必要がある。指導者が耳を傾けないのであれば、賢明な助言がなされるまで指導者に小言を言い続けるべきだ。助言に政治指導者が耳を貸さなかった、通貨理事会が言い訳をすることはできない。
・2019年12月にラクシュマンが総裁に就任し、外貨準備高は76億米ドルと余裕のある水準だった。
彼は最初の演説で自分を任命したジャヤスンダラ大統領府長官に感謝し、彼の忠誠心が中央銀行や通貨法ではなく、外部の何者かに向けられていることは市場にはすぐに分かった。
そして通貨理事会は2020年2月、金19トンのうち13トンを売却した。21年12月、22年1月と3月にも金を売却、金の残量は約半トン、2,900万米ドル相当となり危機に陥っている。
・国際ソブリン債(ISB)の市場価格は急落し、3つの格付け機関すべてから格下げされた。スリランカは国際市場から閉ざされ、外貨が枯渇、現在使用可能な外貨準備高は2億米ドル以下に。
・最悪なことに、21年5月以降中央銀行の純外国準備高がマイナスに転じ、対外借入金が資産を大幅に上回っている。マイナスは毎月増加している。
・今回の経済危機は、2005年頃からマヒンダ政権が採用した「国内ベースの経済政策」にその根源がある。15年に誕生した前政権はこれを変更すると宣言したが、何もしなかった。
結果、GDPに占める輸出の割合は、05年の26%から10年には15%、19年には12%へと継続的に低下した。
・20年初にコロナ危機が発生、輸出もGDPも減少し、対外セクター部門危機の元凶となった。国内経済が必要な需要を賄えないためGDP成長率は低下し、12年の9%超から19年には2.3%に落ち込んだ。20年にはコロナ危機により3.6%のマイナス成長となった。
・危機の深刻化はゴタバヤ政権の政策ミスが原因。まず所得税と付加価値税の減税。
2019年12月、減税発表時に私は大統領に、経済構造の問題からスリランカではうまくいかず、推定6,000億ルピー(約2,700億円)の歳入を失い、政府の国家運営能力が制限されると警告した。
結果、2020年と21年にそれぞれ、GDPの約4%に相当する約1兆ルピー(約4,500億円)の歳入が失われた。一方で予期せぬコロナ危機により支出は増加し、歳出は膨れ上がった。財政赤字は11%以上の歴史的高水準に達し、財政部門全体が脆弱になった。
・国際通貨基金(IMF) の経済レポート報告書は、予算強化に所得税と付加価値税の増税、持続不可能な歳入対策に頼らないよう警告している。ポイントは19年以前の税制に戻し、選択的サーチャージ税などに頼るのはやめるべきだということ。IMFの助言に従わないことは、新総裁と新財務長官のIMFとの交渉に決定的な問題になる。
【参考】2022年3月27日のニュース
・第二の政策ミスは、農業を一夜にして有機農業に転換しようとしたこと。科学者の賢明な助言に反して化学肥料や農薬の輸入を禁止し、食糧生産が激減、農家はより貧しくなった。
21年11月に禁止を解除したが、ダメージはすでに大きい。現在の肥料価格は、尿素50kg袋が約42,000ルピー(約18,900円)と手が出ない。肥料の輸入業者が、不透明な為替レートで決済レートを決められないためで、ナンダラールが直面する重要な課題。
・第三の誤りは、IMF支援を拒否し、支える外貨もないままに1米ドル=200ルピーの人工的為替レートを継続させたこと。
正規金融機関では外貨が枯渇し、米ドル闇市場ができた。通常、闇市場でのプレミアムは公定レートから1〜2ルピー程度だが、今回は50〜60ルピー上昇し、闇市場が公式市場よりも信頼性が高くなった。ルピーの漸進的な下落を許容し、柔軟な為替レートの裏付けとしてIMFの支援を仰ぐべきだった。
・その結果、使用可能な外貨は2022年2月末時点で約4億米ドルまで激減した。中央銀行は3月第1週、ルピー固定を諦めざるを得なくなり、当初の1米ドル=230ルピーから320ルピーまで下落の一途をたどり、まだ下がり続けている。
・最近の大幅な金利引上げは外貨の国外持出しへの阻害要因となり、闇市場は徐々に解消されるだろう。
・第四の誤りは、ラクシュマンが犯してカブラールが継続した致命的なもの。2019年12月から25か月間で、通貨流通量を40%、3兆ルピー(約1.35兆円)増やすという前代未聞の紙幣増刷を許したこと。
歳入減少により政府は、中央銀行や商業銀行から巨額の借金をせざるを得なくなった。この期間に借入れ総額は42億ルピー(約19億円)に達し、173%増加した。
・ラクシュマンもカブラールも、増刷はインフレに影響を与えない、通貨安もないと主張した。インフレ率は公式には19%、ジョンズホプキンス大学の調査では70%近くまで上昇した。彼らの信念の愚かさが証明された。
・対米ドル為替レートはコントロールなくフリーフォールしている。財務長官の支持を得たナンダラールはすぐにこれを止めなければならない。
・カブラールの総裁就任時、ある経済アナリストが私にアドバイスを尋ね、私は4つを答えた(https://twitter.com/waw1949/status/1510901533340499973?s=21)が、彼は無視した。
①対米ドルレート203ルピーの維持と輸入品への保証金100%要求というラクシュマン・ショックの撤廃
②ゴタバヤ・ラージャパクサの中央銀行ではなく、国の中央銀行の総裁として機能すべき
③政府に2019年以前の税制に戻すよう直ちに助言すべき
④国際収支危機からの脱却にIMFの援助を求める
・ナンダラールは最初の記者会見で流れを変えた。彼は、一貫して、率直で、しっかりしていた。
中央銀行の独立性の重要性を知っている。彼は、自分が政府から任命されたと言わず、全政党の祝福を受けていると言い、ゴタバヤの中央銀行ではなく国家の中央銀行を率いているとを暗に示している。金融政策と中央銀行の使命の達成に関しては、自分がこの国でトップだと、きっぱりと言ったのである。
・中央銀行総裁が総裁として発言することは、そう多くない。全スリランカ人の支持を受けたと確信しており、政治家も中央銀行の仕事に介入する前によく考えるようになるだろう。
・ナンダラールは中央銀行在任中、中央銀行の独立性をさらに高める法案を準備した。前政権で法案として公布されていたが、ゴタバヤ政権は棚上げした。中央銀行を独立させるナンダラールの使命は、制定に全政党の支持を得られれば完全なものとなり、現在の危機は良い機会である。
・ナンダラールも財務長官も前途多難。
ナンダラールは、インフレを抑制し、闇市場をなくすよう大胆な決断を下すべきである。
財務長官は、インフレと通貨安をもたらさない資金を財政に入れるべきだ。
困難な課題だが不可能ではない。国民は彼らがこの課題に立ち向かうよう期待している。
なげぇ。。。
ラクシュマン&カブラールの両総裁時代の問題がまとまっています。
「誰に忠誠を?」
ということは、大統領と首相の意向を受けた金融政策だった、
ということ。独立性なんてなかったと。
スリランカのポリティカルニュース
世界の有力紙での報道が続きます。
別ページで紹介しているものもありますので、リンクをどうぞ。
リンク:【Guardian 報道】「もうダメだ」追い込まれたスリランカ人が街頭に
日経。12か国、とあっていの1番は。。。
人生にはムダも必要、な情報(今日のムダ)
こうなるんだ。
ストゥティ! (ありがとう!)
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