【Guardian 報道】スリランカ、飢餓の危機に直面 〜 2022年4月6日

・アベイワルダナ国会議長は、深刻化する経済危機について、
「食料、ガス、電力の不足はさらに深刻になるだろう。非常に深刻な食糧危機が起こる。人口2,200万人の餓死という差し迫った危機に直面しており、経済危機は始まりに過ぎない」と発言。

・スリランカの経済崩壊は、ルピーが急落、世界最悪となったことで悪循環に陥った。米ドル建国際ソブリン債は安値で取引され、株式市場はさらに2%下落した。
・過去数か月間、スリランカは多分野で悲惨な金融危機に直面してきた。経済を襲ったコロナ危機の影響もあるが、それ以上に、積み上がった対外債務、インフレ率上昇、ゴタバヤ・ラージャパクサ大統領政権の経済失政が引き金となった。
・外貨がほとんど残っていないため外国製品を輸入できず、食料、ガス、医薬品が危機的に不足し、人々は1日8時間にも及ぶ停電に耐えている。ここ数日、数千人が街頭に出て大統領の辞任を求める抗議デモ行動を起こしている。

デモ参加者は催涙ガスや放水銃を放たれ数十人が逮捕されたが、世代や階層を超えた市民が街頭に立つのを妨げることはできなかった。
・コロンボでは数百人のカトリックの修道女や司祭がその中に含まれていた。神父は「腐敗した指導者たちは人々の叫びに敏感にならなければならない」と述べた。
 多くの医師も抗議デモに参加し、政府に、薬や医療機器の不足で国が医療危機に直面していると認識するよう促した。

・国民の怒りが高まり、辞任を求める声が高まるにもかかわらず、ラージャパクサ大統領は辞任する意思がないと明らかにし、危機は自分のせいではなく、コントロールできない世界的な要因によるものだと主張している。
・フェルナンド政府首席補佐官は国会で、
「690万人の国民が大統領に投票したことを思い出してほしい。政府として、大統領はいかなる状況でも辞任しないとはっきり言っている。我々はこれに立ち向かう」と述べた。

多くの人々はこの抗議デモ行動を、完全な政権交代と国の経済的解放を求める民衆主導の革命が街角で始まったとみなすようになった。
ほんの数か月前まで、ラージャパクサ政権に対するこのような挑戦は考えられなかった。強権的な大統領は、大多数のシンハラ仏教徒の間で広い支持を得ていると見られていたからだ。
・スリランカで最も強力な政治一族の出であるラージャパクサ氏は、大統領当選以来、自身と親族への権力の集中に取り組んできた。兄のマヒンダ・ラージャパクサ前大統領が首相、バシル・ラージャパクサ氏が財務大臣、チャマル・ラージャパクサ氏が灌漑大臣、甥のナマル・ラージャパクサ氏がスポーツ大臣など、親族5人が要職を与えられた。

しかし、“Gota Must Go” “Gota, Go Home” のスローガンはラージャパクサ大統領の辞任を求める全国的な抗議デモ行動で明確なコールとなり、連立与党の国会議員41人が離脱したため、大統領は国会の少数派となった。
・大統領は6日(水)に非常事態宣言を解除し国会での屈辱的な敗北を免れたが、野党は大統領の政権への参加を拒否。大統領は不信任決議案に直面する可能性があり、政府は依然として政治的に手詰まり状態にある。

・この事態を受け、国連人権高等弁務官事務所は、スリランカの経済危機深刻化に懸念を表明し、政府に対して緊張を平和的に緩和するよう求める声明を発表した。

コメント

タイトルとURLをコピーしました