アーユーボワン!
昨日 6月21日は、インド・モディ首相が
提唱して制定された「国際ヨガデー」。
スリランカの大統領・首相一族もヨガを実践、投稿して、
それにモディ首相が感謝するの巻。
スリランカのコロナ関連ニュース
今朝の時点で、スリランカ国内の感染者 1,950人(増減なし)、死者 11人(増減なし)。
2日連続で新規感染者ゼロ!
スリランカのビジネスニュース
スリランカの銀行の不良債権は、総貸出額のうち、
2019年12月時点の4.9%から、2020年3月時点で 5.1%に増加。
特に特別目的認可銀行(Licensed Specialized Banks、リンク:中央銀行ウェブサイト)
でその影響が顕著であり、
2019年12月の 5.5% から 2020年3月に 6.6% に上昇。
法定預金準備率(SRR)の大幅な引下げと政策金利引下げの思惑が相まり、
前週の国債のセカンダリー市場利回りは暴落。
利回りは、2022年12月15日満期もので 6.25-6.35%、
2023年1月15日満期もので 6.30-6.40% など。
為替は 1米ドル = 186.60/65 ルピー。
国営銀行 Bank of Ceylon (BOC) 会長インタビュー。
・BOCは、コロナ危機の影響を受けた企業の復活を進めるため、民間部門、特に中小企業への支援を強化。
・原資として、中央銀行支援によるコロナ危機向け融資スキーム
(リンク:Saubagya Covid – 19 Renaissance Facility)
のほか、先週の中央銀行による法定預金準備率(SRR)の2%引下げなどを利用。
・BOCは昨年、スリランカ経済が戦後最低成長率 2.3%に苦しんでいたなか、290億ルピー(約174億円)の税引き前利益を計上。
・健全な経済プラットフォームを活用し、顧客、特に民間企業や中小企業の成長支援を優先。顧客が利益を上げれば、借入能力と返済能力が向上し、銀行も利益を得る。
・国有銀行としてまず、成長のエンジンの強化が重要。コロナ危機後、この必要性がさらに大きくなった。顧客の健全な経営を犠牲にして、銀行が収益性を維持することはできない。
マンガーラ前財務大臣は、中央銀行を擁護。
・中央銀行は、金利を引き下げ、法定預金準備率を引き下げ、流動性注入に国債を購入し、外貨準備を失っている。
・スリランカの経済危機は、基本的には財政の問題であり、通貨の問題ではないため金融政策が果たす役割は限られる。
・市場には十分な流動性があるが、大統領の要求に応えて法定預金準備金要件をさらに緩和。
問題は流動性ではなく、信用リスク。銀行はハイリスク企業に融資をしたくない。一方で中央銀行は金融会社の破綻を許したと非難され、もう一方で銀行はハイリスク企業への融資を求められている。
・中央銀行の役割は、物価安定のために貨幣の供給量とコストを管理すること。お金のコストは劇的に下がり、供給量は増え、インフレはコントロールされている。つまり中央銀行はその仕事をした。
大統領による中央銀行への一喝、もあり、
国営銀行・金融機関も中小企業支援・経済復興にアピール。
マンガーラ前財務大臣は、以前から一貫して
財政の重要性を説いています。
前政権時にこれで経済が浮揚していたのであれば
説得力があるのですが、、、
今はできる手を尽くして経済テコ入れ、
が政治の役割、とならざるを得ないよねえ。。。
スリランカの研究機関、Pathfinder Foundation は、
「海洋資源に関する大統領タスクフォース」
の設立を提言。
・スリランカが持つ次の立地条件を、スリランカは独立以来活用できていない。
- 最も価値があり利用しやすい天然資源としての周辺海域
- 世界で最も重要な海上貿易ルートへの近さ
・ヨーロッパの入植者(ポルトガル、オランダ、イギリス)はこの価値を認識し、この戦略的立地はこれらの国に富をもたらした。
スリランカは政治的独立を取り戻し、その戦略的立地条件を利用できるはず。
・安全保障、環境・生態系、貿易・海運、観光、養殖・水産、鉱物資源、エネルギーなどを検討すべき。
もう一つ、スリランカの地政学に関連。
コロナ危機を背景とした、スリランカの米中との関係。
・中国によるスリランカとの関係強化への努力は、世界の秩序を変化させ、アメリカは世界的な威信とこの島国との関係維持に藁をも掴む状態に陥っている。
・主要な海上輸送ルートに沿ってインド洋に位置し、米国務省高官が「不動産」と称したスリランカは、ここ数か月、新冷戦を引き起こす緊張の火種に。
・2019年以前、スリランカの政権は親米派。例えば2017年、シリセーナ政権は、物品役務相互提供協定(ACSA)を10年間更新。インド太平洋地域で米軍は、後方支援物資・給油サービスなどの補給や交換が可能に。
・しかしわずか2年後、親中派のラージャパクサ政権になると、アメリカはミレニアム・チャレンジ・コンパクト(MCC)を通じて4.8億米ドルの開発援助を約束したにもかかわらず、地位協定(SOFA)を更新できず。
SOFA交渉はスリランカに政治的な緊張と議論を引き起こし、「国の主権に対する非常に深刻な侵害」と言われた。SOFAを通じてアメリカがスリランカに新しい軍事基地を設立しようとし反米感情が高まったと多くのスリランカ人は考えた。
・コロナ危機により、中国の財布の力が証明され、スリランカが同盟関係を転換したとしても不思議ではない。中国はスリランカに10年間 5億米ドルの譲渡的融資を延長、複数回にわたり医療品を提供。
・アメリカの援助は 580万米ドルに過ぎず、中国の 5億米ドルのコミットメントのごく一部。
・2017年にスリランカは、ハンバントータ港と1.5万エーカーの土地を中国に99年間明け渡し、「債務の罠」外交を示したことで有名となった。しかし、スリランカの中国の一帯一路の提携は続いている。
・コロナ危機のなか、中国はインド太平洋地域、特にスリランカで、アメリカの戦略的同盟関係を弱めようとしているようだ。
良くも悪くも、世界の大国はスリランカを見捨てることができない、
ということを如実に示している現状。
中国の存在感・援助のスピード感は確かに。。。
Pathfinder Foundation の提言・検討は、
「地政学的要衝」「好立地」をもっと戦略的に活用する必要性を
説いていて、的外れではないと思います。
政治や安全保障で語られる文脈ですが、
ビジネス・経済にどう活用できるかがさらに重要になるのでは。
電力部門の規制当局
The Public Utilities Commission of Sri Lanka (PUCSL) によると、
2020年4月の発電量は 96.4万MWhで、前年同月比 21.4%減。
2020年 第1四半期の総発電量の内訳は、
石炭 41%、水力 21%、石油 38%。
セイロン電力公社(CEB) は、ケラワラピティヤ発電所の
3基目の液化天然ガス(LNG)発電プラント建設を入札にかける計画。
2基目の LNG発電プラント(300MW)の建設は来月開始予定。
製菓業界は、その存続と雇用の確保に懸念を表明。
・主要原材料となる輸入品への相次ぐ増税によるもので、
パーム油・砂糖・ブロック脂肪への輸入税引上げにより、
毎月 5〜6億ルピー(約 3〜3.6億円)の追加コストに。
・製菓産業は5万人以上を直接雇用、約60万人が間接的に依存。
15万人以上の小売業者が関与。
製品は55か国以上に輸出され、年間 1億米ドルの輸出収入。
富裕層投資家の ルシ・キャプテン氏は、先週、
LOLC Holdings PLC の株式 1.5%を買い占め。
9億ルピー(約 5.4億円)を投資したことに。
スリランカのポリティカルニュース
国会議員選挙を前に、政党関係者は、
コロナ対策のために大規模な制限を課した選挙管理委員会を非難。
選挙事務所の開設、切り抜きなどの宣伝物を持つこと、
ドア・ツー・ドア・キャンペーン、100人以上の集会などを禁止。
特に、候補者の割当番号を投票者にアピールする方法がないと批判。
首相は、与党 SLPP が国会議員選挙で多数を獲得すれば、
憲法を改正すると発言。
首相は、過半数の議席を獲得できず、
首相が別の政党から選出された場合、
何もできなくなると指摘し、国民に投票を促した。
警察は、6月6 日(土)〜20日(土)の全国特別捜査にて、
25,000 人以上の容疑者を逮捕、
76丁の銃器、爆発物、違法な酒類を押収。
ヘロイン 5kg以上、大麻 217kg、覚醒剤 約760g も押収。
治安は良い、というのが住んでいての実感ですが、
油断してはいかんですね。物騒。
大統領の最優先政策は「Security」「治安」なので、
ここは継続して対策されるでしょう。
経済がピンチなので、治安に飛び火しないように。
人生にはムダも必要、な情報(今日のムダ)
ハイリスク・ノーリターン。
ストゥティ! (ありがとう!)
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