・国民や野党から、経済危機を巡ってゴタバヤ・ラージャパクサ大統領の退陣を求める声が上がるなか、フェルナンド政府主席補佐官は国会で、
「責任ある政府として大統領はいかなる状況でも辞任しない」と述べた。
・群衆は、長時間の停電、ガスや食料他の基礎的必需品の不足に対し、数週間にわたって抗議している。
国民の怒りにより、閣僚のほぼ全員が辞職し、数十人の国会議員が政権から離脱した。
野党も、有権者が大統領と政府全員の辞任を望んでいるとして全政党による政権樹立への呼びかけを拒否している。
・5日(火)夜、抗議デモ行動の拡大、国会議員の連立離脱、財務大臣の辞任を受け、大統領は物議を醸していた緊急事態宣言を国民に譲歩する形で解除。
・その日のうちに国会では、41人の議員が「独立した代表として」大統領の連立政権から離脱した。
・スリランカは、1948年のイギリスからの独立以来、最悪の経済危機に直面している。
輸入に大きく依存するこの国には、自動車や発電の燃料、食料品など必需品を購入するための米ドルがもはやない。
・人々は停電、大幅なインフレ、食料と基本物資の不足に悩まされている。
経済危機に対する国民の不満から、1月以降、平和的なデモが行われてきた。
・しかしこの2週間で状況はエスカレートした。停電が13時間にも及び、ガソリンスタンドの燃料が不足し、多くの人々が街頭に出ている。ある抗議デモ参加者は、
「人々は毎日のコメやダール、基本的な生活必需品を買うことができない。通勤通学のバスに乗ることもできない」と語った。
ほとんどのデモは平和的に行われているが、政治家の自宅が襲撃されたり、デモ参加者と警察が衝突したりと、暴力的な衝突も起きている。
・5日(火)、国連人権理事会は、緊急事態宣言解除前に出した声明で、同宣言に懸念を表明していた。
国連は、警察による暴力の報告を指摘し、この規制が「国民が抗議デモ活動を通じて合法的に不満を表現することを妨げたり思いとどまらせたりする」目的を持つことを懸念すると述べた。
また、「スリランカの軍事化への流れと制度的なチェック・アンド・バランスの弱体化は、経済危機に効果的に対処する国家の能力に影響を及ぼしている」と指摘した。
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